2011年11月11日金曜日

Jeropina を飲みながら

<2011年11月>

秋。それは栗、南京の時期である。

ポルトガルでは、焼き栗をこうして道で売っている。かつて日本にも良くあった石焼芋屋さんのようで懐かしい。
こちらでは、11月11日のSt. Martinho の日では、焼き栗を食べる習慣がある。
子供たちも切り込みを入れた栗を保育園に持って行き、皆で焼いて食べたらしい。

時期は少々ズレるが、秋は南京の収穫もある。我が家のちっぽけな畑でも、巨大かぼちゃを3つ収穫することが出来た。
近所の畑では、既に収穫されたかぼちゃたちが山積みになっている。この辺りでは、屋根の上とかにも並べられ、ゆっくりと冬を待つのである。そしてクリスマスには、このかぼちゃを使ったデザートが用意されるらしい。
・・・美味しそうに聞こえるかもしれないが、ポルトガルのカボチャは、実に水分が多く、旨くない。庭で取れたかぼちゃを調理する度に、日本のホクホクとしたかぼちゃが懐かしくなるのだ。
まずくとも、この国でもカボチャは、人気者で、こうしてトラックに積まれ、山のクネクネ道を市場へと運ばれて行くのである。

2011年11月4日金曜日

Serendipity

日本での夏休みから戻った約一週間後、家族から祖母の訃報が届く。

日本を発つ前、年老いて弱った祖母の手を取り、心の中で別れを告げた。そしてきっと再び会う事はないだろうと、覚悟しながらゆっくりと彼女のそばを離れたのだが、こんなにもあっけなく逝ってしまうとは。

数日後、子供たちを車に乗せ、家を出た。いつもと変わらぬ朝。
但し、いつもと違う事がその数分後に起きた。
隣村の古い家に住むよぼよぼなおばあちゃんが、道路にのり出して手を振っているのである。
ただ事ではないと予感し、急いで車を止め、事情を聞くと、なんてことない、ただのヒッチハイクであった。

彼女の行き先はエリセイラだったのだが、子供たちの保育園がある村まででも良いと言うので、乗ってもらう。
私の前に5台も車が通り過ぎていっただの、愚痴やら何気ない会話を交わし、保育園のある村に着いたのに、降りる気配なし。
結局、保育園で子供たちを降ろした時も、車の中で待っており、
「ここでいいわ。こっちの道を行けば、あなたの職場の方向でしょう」と言った場所が、既にエリセイラから車で2分もかからない場所だったのもあり、最後まで送る事にした。

「いやぁ、どうもありがとう。フルーツでも欲しいか?」と重そうな荷物に手を差し伸べるので、お断りし、お別れをした。
「それでは、おばあちゃん、さようなら」

その時、ふと気づいたのだが、この日は、祖母の告別式であった。
彼女の死に対して、虫の知らせもなく寂しく思っていたのだが、こうして世は、ちゃんと私に大好きなおばあちゃんとのお別れのチャンスを与えてくれたのだ。

年老いたおばあちゃんが、ゆっくりと去って行くのをバックミラーで確認しながら、目頭が熱くなるのを感じた。

Serendipity

About a week after I returned from my trip to Japan, I received an unfortunate message about my grandma's death.
I have expected it and was ready for this moment to come after witnessing her shrunken body and with no consciousness. However, I also did not think she will pass away in less than a week after I grasped her hands farewell.

One ordinary day, left home with the kids driving them to school. Except this time things turned out a little different.
An old lady from next village was waving her arms at the side of the road. I quickly stopped the car and asked if something had happened to her but it turned out that she was just hitch-hiking.

I decided to give her a ride to the village where my children's school is located although she didn't seem to get off even when we got there. After all, she came with us to the school, waited in the car while I took the children to their classes and told me I should continue driving towards Ericeira which was her destination.
She finally told me to stop the car just a few hundred metres from Ericeira that she would walk there, so I decided to drive her all the way.
The old lady was really thankful and offered me some fruit from her heavy looking bag.
I told her I didn't need any fruit and told her it was a pleasure to have her.
"Good bye" said I as I drove off.
Just then I realized that it was my grandma's funeral day.

Life works in a funny way. Even though I live far from my grandma's home, an explainable power gave me an opportunity to say good-bye to my loving grandma.

I was moved to tears as the old lady slowly disappeared from the rear mirror...